DMOSトランジスタ
DMOSトランジスタは、Double-Diffused Metal-Oxide-Semiconductor Transistor(ダブル拡散型金属酸化物半導体トランジスタ)の略称です。
DMOSトランジスタは、一般的なMOSトランジスタと同様に、金属酸化物半導体構造を持ちますが、その構造が異なります。
高電圧デバイスとして使用できる
DMOSトランジスタは、通常のMOSトランジスタよりも高電圧および高電流を扱うことができます。
通常のMOSトランジスタと比較して、より大きなドレイン領域と、その下により深い不純物拡散層を持つためです。
より高い耐圧および耐電流特性を実現し、高電圧や高電流のアプリケーションに適しています。
DMOSトランジスタは、モータードライバ、電源回路、オーディオアンプ、パワーフェット、スイッチング回路などの高電力アプリケーションで広く使用されています。
高電圧や高電流を効率的に制御し、電力変換や信号増幅などの目的に役立てられます。
DMOSトランジスタの構造
DMOSトランジスタは、シリコン基板上に構築されます。その構造は、主に以下の部分からなります:
ソース領域(Source Region): トランジスタの一端であり電流の供給元として機能します。ソース領域は通常、N型またはP型の不純物でドープされた領域です。
ドレイン領域(Drain Region): トランジスタのもう一端であり電流の受け取り先として機能します。ドレイン領域もソース領域と同様に、N型またはP型の不純物でドープされた領域です。
ゲート絶縁層(Gate Oxide): ソース領域とドレイン領域の間に位置し絶縁材料(通常は酸化シリコン)で構成されます。ゲート絶縁層の上には、ゲート電極が配置されます。
ゲート電極(Gate Electrode): ゲート絶縁層上に配置されトランジスタの動作を制御します。ゲート電極は通常、金属またはポリシリコンで作られます。
チャネル領域(Channel Region): ゲート絶縁層の下に位置しソースとドレインの間の電流の流れを制御します。
これらの要素が組み合わさってDMOSトランジスタが形成されます。その形状は、実際の製造プロセスや設計によって異なりますが、上記の基本構造を持っています。
シーモスの回路設計CAD通信講座における位置づけ
通信講座内では取り扱うことはありません。このように、用途によっては一般的なトランジスタ以外のものも存在します。