シーモスの通信講座TOP > 回路設計、LSI関連技術解説/用語集 > 回路シミュレータのしくみ
まずCADで回路図を描きます。
回路図は主なシンボルはすべてCADソフトの中に用意されていますので、それを配置して、クリックしながら線で結びます。
この図面の配線状況がネットリストに変換されます。
つまり"絵柄"であった回路図が"数字・記号"に置き換えられます。
絵柄には対応する略称が設定されていて、それらが計算上どのような機能を果たすのかも、あらかじめ設定されています。
ネットリストとは各パーツ(絵柄)の接続状況をすべて表現したものです。つまり回路図はすべて各パーツの接続情報ををグラフィカルに表現したものです。
数字があらかじめ用意されている計算式にあてはめられ出力結果が計算されます。
その計算結果をグラフ上に打点し、曲線で結んだものが出力波形となります。
各配線がもれなくつながれ、計算に必要な情報や変数がすべて指定されていた場合、回路シミュレータは必ず結果を出力します。
結果とは波形で表現されるものです。
注意すべきは計算に必要な状況が構成できていれば、実際はあり得ない状況であっても、そのことをはじく仕組みが回路シミュレータに備わっていなければ、その状況での結果波形が出力されるということです。
言い換えれば、spiceシミュレーションの結果の波形が出ているから、実際にそのような結果になるとは限りません。
回路シミュレーションがすべてではなく、不備があった場合に気づくためにも、知識や経験を積み重ねていくことが重要です。
多面的に考えるような視点を持つことも重要で、その点もしっかり考慮しながら、講座を進めていきます。