小信号等価回路
小信号等価回路は、回路解析の手法の一つで、非線形回路の動作を簡略化して扱うために使用されます。
主に、非線形素子(例えば、トランジスタやダイオード)が含まれる回路を、それらの素子の周りで動作する小信号モデルに置き換えることで、回路の解析を容易にします。
小信号等価回路では、非線形素子の動作点(バイアス点)の周りでの微小な変動に着目します。
この微小変動に対する素子の応答を線形化してモデル化し、これにより回路を線形回路として扱うことができます。
例えば、トランジスタの場合、動作点の周りでの微小な変動は、トランジスタの増幅率や導電度に影響を与えます。
小信号等価回路では、この微小な変動を線形な増幅率や導電度としてモデル化し、その周りでの回路動作を解析します。
小信号等価回路は、高周波回路やアナログ回路の設計や解析に広く使用されます。
特に、増幅器やフィルタなどのアナログ回路では、動作点周りの微小な変動に対する応答を正確に予測することが重要です。
シーモスの回路設計CAD通信講座における位置づけ
小信号等価回路は手計算による回路設計手法です。
シーモスのアナログ回路設計CAD講座ではCADと回路シミュレータを用いて設計しますので、小信号等価回路は利用しません。